12.砂防with折紙(福井高専)
「日本最古の透過型砂防堰堤の発見と新しい遊水池の計画手法の提案」
福井県福井市の一乗谷は戦国時代の城下町として栄えた.当時の人口は最盛期で約1万人であった.この一乗谷を敵からの襲来を防ぐため,上城戸(土塁)が城壁として建造された.上城戸は高さ約5mの土塁であり,一乗谷の川上側に位置する.本提案は一乗谷の3Dモデルと流体数値シミュレーションCFDを用いて,上城戸に隠された洪水対策の効果を明らかにする.また,本提案は透過型砂防ダムと遊水池の組み合わせの重要性を明示し,新たに地下貯水システムを提案する.本提案の地下貯水システムは開粒度アスファルト,透水性保水性地盤工法と地下貯水槽を組み合わせたものである.なお,地下貯水槽の中詰め材は折紙の技法を用いて軽量かつコンパクトな材料を考案する.以上のように,本提案は上城戸が日本最古の透過型砂防ダムであることを明らかにする.同時に本提案は市街地における3次元の水流に配慮した洪水対策を計画する.